インフルエンザHAワクチンの製造株が以下のとおり決定しました。
毎年5~6月頃に次のシーズンのワクチン株が決定されますが、ワクチン株は、世界的にはWHOの専門家会議で、次シーズンに向けたインフルエンザワクチン に用いる候補株が毎年2回選定されます。日本では、WHO推奨株を参考に、あわせて日本の流行状況などから予測を行い、また、ワクチンの製造に適した株 (卵での増殖がよいことや、継代による抗原性の変化がないことなどの検討)を選択しています。

■ワクチンの製造株の表記方法
ウイルスの型/発見地/発見順位/発見年(西暦下2桁)
例えば、 B/ブリスベン/60/2008は、「2008年にブリスベンで分離された60番目の株という意味です。」

■ワクチンの予防効果
ワクチンの予防効果は、ワクチン株と流行株の抗原構造が一致したときに発揮されるので、ワクチン製造に用いるウイルス株は毎年定められます。ふつうは、A型とB型がそれぞれ2株ないし1株ずつ混合されています。

■インフルエンザウイルスの抗原変異とインフルエンザの流行
インフルエンザウイルスにはA型とB型(C型もあるが非常に少ない)がありますが、抗原変異を起こしやすい性質をもっています。インフルエンザウイルスA 型は、HA抗原、NA抗原の種類によってサブタイプが分けられます。A型およびB型ウイルスのHAとNAの小変異は絶えず起こっていて、人の抗体によって選択され、毎年新しいタイプの流行株につながります。A型では新しい型が出ると1~数年以内に全世界に広がる大流行となります。

平成23年度(2011)
A型:A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09A/ビクトリア/210/2009(H3N2)
B型:B/ブリスベン/60/2008

平成23年度インフルエンザHAワクチン製造株の決定について(通知).薬食発第0502第4号】